土曜コラム第15回-2:ウラニアさんとあすなろ学院生との交流記録(7)日本語訳

[海外リポート]みんなの声 What’s up?

あすなろ学院生とプラハで活躍するピアニスト・ウラニアさんとの交流をご紹介しています。英語原文と日本語訳文の両方から言葉の壁を越えて伝え合う彼らの思いを感じとってください。

英語原文はこちら→ウラニアさんとあすなろ学院生の交流記録(7)

大人女子4こんにちは。私の名前はY.です。私は息子たちの子育てが終わった後、英語の勉強を始めました。私はあなたのエッセイを読み、あなたにお尋ねしたい質問がいくつかあります。


大人女子4 質問1)なぜあなたは、多くの都市がある中でプラハを選んだのですか。若い人々が音楽を学ぶ国はロシア、ポーランド、フランス、ドイツ、オーストリアなどたくさんあります。岸田先生は、プラハに、教えを乞いたい教授がいたと私に話して下さいました。あなたも同じ理由でプラハを選んだのですか。

Ourania 

ハイY.。質問をありがとう。私はあなたの質問に最善を尽くして答えるつもりです。

私がプラハを選んだのには様々な理由があります。共に音楽家である私の両親は60年代にプラハで学びました。そして家庭ではいつもプラハは特別なところだと話していました。私は幼い頃から、チェコ人のクラシック音楽、特にスメタナ、ドヴォルザーク、そしてヤナーチェクを多く学び、聞いていました。私は8歳の時に両親とプラハを訪れ、その街が好きだと感じたことを覚えています。そしてもちろん最も大切な理由は、プラハは音楽を学ぶのに最善の地の一つであるということです。そして私は既に私の両親を通してこの街とコネクションを持っていたのです。


大人女子4 質問2)私は以前、どのピアニストにも好きな作曲家があり、得意な曲があると聞いたことがあります。あなたにも特別な作曲家がいますか?

Ourania 

私は、その音楽を学びたいと思う特別な作曲家が多くいます。そしてたいていのピアニストは、その中の1人だけを選ぶことはできないと信じています(思っています)。そう、たとえばアーサー・ルビンスタインはショパンの音楽を演奏する妙手(達人)でしたが、実はどんな作曲家の作品を演奏することにも長けていました。ルビンスタインはいろいろなインタビューで「お気に入りの作曲家が何人もいる」と言っていましたが、問題は彼自身が実際どう思っていたのかということですね。これはどんなピアニストにとっても難しい質問です。そこには美しい音楽の調べが有り、それを知り、学ぶにはほんの少しの時間しかありません(時間がいくらあっても足りません)。

たとえば今私は、ビオラを演奏する同僚と共に、アメリカの作曲家のレベッカ・クラーク、キプロスの作曲家のコンスタンティノス・スティリアス、そして、もちろんポールヒンデミットのビオラソナタを学び、新しい室内楽のプログラムを準備しています。そして私は今この時、これら3人の作曲家すべてと、彼らの音楽を愛していると言えます。数ヵ月の内に私はカミーユ・サンサーンスのヴァイオリンソナタ、ピアノソナタを学び始めるつもりです。そう、私はサンサーンスの音楽に夢中になることでしょう。少なくとも私はいつもそうでした。しかし、ピアニストによっては違うかもしれませんね。


大人女子4 質問3)アジア人の私にとって、ヨーロッパはとても遠くあこがれの場所です。私はいつか地中海を訪れたいと願っていますが行くのは簡単ではありません。アジアもまた私にとっては素晴らしい場所です。あなたはアジアについてどんなイメージを持っていますか。日本についてどんな印象を持っていますか。

Ourania 

私にとって、アジアそして特に日本はあこがれの場所です。わたしはあなたの国のことをドキュメンタリー番組や写真でしか知りません。そして日本の美しく他にはない自然に感銘を受けました。プラハにはとても大きな植物園が有り、その中に日本庭園が造られており、園の中で最も美しい場所となっています。ラッキーなことに私は植物園の近くに住んでいるので、月に何度も植物園を訪れることができます。そして日本庭園の盆栽や流れる水、風景を見て過ごす時間を楽しんでいます。そこは平和のオアシスでありくつろぎの場所です。

また、私は子供の頃、異なる国々の神話を多く読んだものです。そしてアジアの神話は私にとってとても魅力的でした。ギリシャ神話とはたいへん異なり、とても遠い国の話であり私の想像力をかきたてました。いつの日かあなたの国を訪れ、以前何度も心の中で訪れた場所を見ることが私の夢でした。そして今もその夢を持っています。

多くの人々にとって日本といえば何百万もの人々がとても忙しく暮らす巨大都市東京です。私にとって日本は写真で見た美しい自然と、アジアの神話を読んで心に描いたイメージの国です。


大人女子4 こんにちは、ウラニア。お返事をありがとうございます。なんだか外国の友人から手紙をもらったような気分でうれしくてウキウキしました。私の質問にとてもていねいに答えて下さって感謝します。

私は貴女がとてもうらやましいです。あなたは、音楽を学び、愛することに人生を賭けて来たのですね。多くの人が多分そうであるように、私は人生を通して学び続けたいものを何も持っていないのです。とても残念なことだと思っています。若い頃は何も深く考えずに過ごしていた気がします。今、50歳を過ぎて若い頃にもどりたいと思っています。そして何か熱中できることを見つけたいものです。ひとつだけ言えるのは、子育てにはずっと没頭してきたということです。でも子育てはいつか終わりがきます。そしてその後は思い出の中に生きるしかありません。

プラハには美しい植物園があると知りました。貴女のお返事を読みながらその美しい庭園を想像してみました。日本には三大庭園と呼ばれる庭があるのですよ、残念ながら私はそのどれからも遠く離れていますが。もし貴女が私の街を訪れることがあったら絶対にお見せしたい風景があります。日本では4月にとても美しく桜の花が咲き乱れるのです。私の街には芦屋川という川があって、その川沿いの桜の花が満開になると本当に美しい風景が展開されるのです。川の上流の六甲山のふもとに緑が見え、川沿いの桜の花は薄くてやさしいピンクの色に咲きほこります。そして青い空と白い雲、本当に美しくて幸せな気分になります。人々は桜の木を見に集まって来て皆とても幸せそうです。私はこの風景を毎年見られることに感謝しています。

心をこめて、
Y.

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